関節をポキポキ鳴らすのはよくないの?
何気なくやっている、関節をポキポキ鳴らすことはとても危険な行為です。ポキポキ鳴る音の正体とポキポキ鳴らすことの危険性について解説します。
ポキポキ鳴る音の正体
勉強や仕事の合間や、ふとした時などに首や指の関節をポキポキ鳴らして爽快感を味わったことはありませんか?
ポキポキ鳴らすのがクセになっている人もいるかもしれません。
ポキポキ鳴る音の正体についてはいくつかの説がありますが、現在最も有力だと考えられているのが「気泡」説です。
「気泡」説とは?
関節全体を包み込んでいる「関節包」の内部で衝撃波が生じ、それによって音が出ているというもの。
関節包の中には、関節をスムースに動かし、軟骨に栄養を与えるための「滑液(かつえき)」という液体が入っています。
思い切り関節を曲げると、関節包内部の圧力に変化が起こって滑液の中に気泡が発生し、その気泡が消滅した時の音が衝撃波となって関節包周辺の骨やじん帯、筋肉などを振動させて“ポキポキ”という音が鳴るのです。
また、関節を鳴らした時に感じる爽快感は、関節を曲げたり引っ張ったりするときの一種のストレッチ効果によるもの。
ポキポキは危険です
実は、このポキポキ関節を鳴らすことを習慣にしてしまうのはとても危険なことなのです。
必要以上に関節包や周囲のじん帯を引っ張り続けていると、それらが伸びてしまい、関節を支えることができなくなってゆるくなってしまう恐れがあるのです。
さらに、衝撃波によって軟骨やじん帯にダメージが与えられると、それらの修復のために組織の増殖が起こり、関節部分が太くなってしまいます。
首のポキポキは特に注意
特に危険なのは、首を振ってポキポキ鳴らすことで、脳卒中など致命的な病気のリスクが高まることがわかっています。
やみくもに音を鳴らしていると、骨が変形したり関節にズレが生じ、ズレが深刻化すると首の頸椎動脈の粘膜が断裂して脳卒中につながる恐れがあるのです。
さらに、指先がしびれてきたり、頭がぼーっとするなどの症状が出てくることも。
危険な“ポキポキ”はやめましょう
首のストレッチをするときは、直立して背筋をまっすぐに伸ばした状態で、急激に勢いをつけて行うのではなくゆっくりと前後左右に首を傾けるようにしましょう。
特に曲がりにくい方向を伸ばすようにするのがコツです。
ちなみに、カイロプラクティックや整体の施術で関節がポキポキ鳴るのは、正しい位置に関節を戻すために出る音であって、自分で音の鳴りやすい部分だけをむやみに鳴らすのとは違います。
疲れたからと言って、危険な“ポキポキ”はやめましょう。