漢方とダイエット②タイプ別ダイエット法「気」のトラブル
漢方では太り方もいくつかの分類にわけることができます。ここではわたしたちの身体をめぐっている気・血・水の3つのトラブルを解説しながら、ダイエット法を紹介していきます。今回は「気」のトラブルです。
「気」とは何か
「気」といっても、目に見えないものなので想像しにくいかもしれませんが、「気」とは生命力であり、すべてを動かす原動力でもあります。
「気」が多い場合・少ない場合
「元気」という言葉のとおり、気が沢山あるとパワーがみなぎり、風邪などの病気もなりにくいとされます。
逆に気が不足すると、免疫力が低下したり、体温の維持ができなくなって冷えを招きます。
また、気は汗や内臓の位置をコントロールする力もあるので、気が不足するとよく汗をかいたり、胃下垂などの内臓下垂になったりします。
「気」の不足とダイエット
気の不足タイプは汗っかきで、動くとすぐに疲れる人。筋肉にしまりがなく、触るとプヨプヨとしていている人や、冷え性の人も多いでしょう。
このようなタイプはスタミナをつけ、冷えをなくして代謝を高めるような食事や運動がおすすめです。
生薬では気を補う朝鮮人参、漢方薬では気を補って胃腸の機能を高める六君子湯(りっくんしとう)などがおすすめです。
「気」の巡りの悪さとダイエット
また、気の異常は「不足」だけではなく、「巡りが悪い」場合もあります。気が滞ると、イライラして怒りっぽくなったり、胸や脇が張るように痛んだり、ゲップやおなら、不眠を伴なうことがあります。
このようなタイプは便秘を解消し、気の巡りをよくする生薬の入った「大柴胡湯」(だいさいことう)などがおすすめです。
食品ではセロリ、香菜、柚子、そばなどの芳香性のあるものは、滞った気を巡ぐらす働きがあるので、ぜひ食卓に取り入れてみてくださいね。